東京外国語大学銭湯同好会

月の湯@目白台



東京型銭湯のかなり古い部類である月の湯さんが5月末で営業を終了することになりました。そして今回、それを惜しんだ文京建築会ユースの方の尽力と月の湯のご主人のご厚意によって、月の湯の見学会が開かれました。午後早くから見学会があり、終了後は通常営業という流れで、多くの方々が見えていました。以下、その様子を簡単にまとめてみました。

副都心線の雑司ヶ谷駅から住宅地を歩いて行くと、突然月の湯が目の前に現れました。震災の爪痕が痛ましく残るその姿は、最初はここでいいのかと何秒か立ち止まったほどでした。鉄骨やブルーシートに覆われた建物と、こじんまりとしていながらもどっしりと構えた入り口。暖簾をくぐり、下駄箱に靴を預けて男湯の脱衣場で参加費を払いました。

まず特徴的なのはその高い天井。全体的に木で出来た空間は、何か懐かしさを感じます。そして、番台。最近はどうしても減ってきているけれど、銭湯という「コミュニケーションの場」を象徴するものだと思います。他にも脱衣かごや体重計、カランなど、興味深いもの、ことがたくさんありました。

見学会では、自由に男女の脱衣場やお風呂などを見学できました。また、ボイラー室にも入ることができ、熱気と音がとても印象に残りました。その後、町田忍氏による銭湯のペンキ絵、タイル絵を中心とした講演を聞きました。脱衣場の間仕切りを外してできた会場は、沢山の人で埋め尽くされていました。

その後も自由見学は続いていましたが、一通り見終わったので、入浴できるようになるまで近くの銭湯、大黒湯へ行くことに。改修されていて、カウンター方式の銭湯でした。

そして、頃合いを見計らいつつ月の湯へと戻り、ついに入浴。地元の方がたくさん利用されていました。特にこどもの日だったせいか、こどもの元気な声が響いていて、微笑ましかったです。地元の方に愛されている銭湯なのだと強く感じました。

お湯は菖蒲湯になっていました。常連さんは「今日はなんだか温いねぇ」と仰っていましたが、私にはちょうどよかったように思われました。

様々に感じたこと、考えたことがありましたが、それはまたの機会にさせていただきます。貴重な機会をご提供いただいた月の湯さんに、感謝を。

報告:小山伸太郎(モンゴル語科2年)
(2015.5.5)


月の湯(廃業)
住所:東京都文京区目白台3-15-7
営業時間:17:00~22:00(平日)、16:00~22:00(休日)
定休日:月、水、金、土



(上記の情報は、2015/6/22現在の情報です。)

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